いわゆる大学生デビューだったということなのでしょう。

私が大学生の頃、自転車を盗んだりケンカをしたり夜の仕事をしたりギャンブルをしたり、よく警察にもお世話になるようなことがありました。

大学生仲間からは「三浦はまともじゃない」と思われていたでしょうし、実際そう言われても仕方ないようなことばかりしていました。若気の至りとはいえ、穴があったら入りたいほど今では恥ずかしく思います。

普通の道から外れていた時期が長くありましたが、その頃でも、なんとなく子供の頃に言われた母方のおばあちゃんの言葉がいつも心に残っていたように思います。

私の母方のおばあちゃんは子供が8人、孫は10人以上いたのですが、その孫の中でも私のことを特に可愛がってくれていました。

小学校の低学年の頃だったと思いますが、いつものように帰宅してランドセルを玄関にぶん投げてそのまま遊びに行こうと「行ってきまーす」と大きな声で誰に言うともなく言った時、おばあちゃんが玄関まで出てきて急に「あんたは立派な大人にならないとダメだよ!」と涙を流して私に言うのです。

その時のことは今でも覚えているくらいなので、子供ながら印象的だったのだと思います。


私は横道にそれそうになったこともありましたが、それでもなんとかまともな人生に軌道修正できたのは、あの時のおばあちゃんの言葉が忘れられなかったからではないかと思っています。

あの時のおばあちゃんが真剣に私に向き合ってくれたことで1人人間が救われたのだとすれば。


人にきちんと向き合う、大人のやるべきこととしてこれ以上の仕事はないのではないかと思うのです。